2. 能舞台の秘密(2)

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橋掛り(はしがかり)

橋掛りとは、舞台と「出」を待つ「鏡の間」を繋ぐ紛れもない「橋」であります。舞台へ上がろうとする役者の登場通路であり、舞台に別れを告げ、現世に戻る退場通路であり、能楽の場合は 設定されている場所と同時ではあるが異なる場所として存在し、ストーリーの展開になくてはならない舞台の一部となっている。

また、この橋掛りは、舞台に向かって僅かではあるが上っている。これは舞台に進む役者に意気込みを与え、しっかりとした足の運びを演出するのに役立っている。当然、出るときが上りならば、入るときは下りとなる。これはストーリーの終焉を強調するのに、役者が急いで舞台から消えるのに必要な演出である。故に、この橋掛りの傾斜は、太鼓の撥が静かに転がるところから「撥転がし」異名が付けられている。

橋掛りの長さは概ね5~7間と一定ではないが、役者にはさほど問題はないようである。一方、橋掛りと舞台との取付け角度は90~110度とまた色々であるが、こちらは役者にとって大いに気になる角度なのである。特に「釣狐」においては、逃走する「狐」のルートに影響する。これについては一度「釣狐」の公演を見て頂ければ、解かって頂けるでしょう。