13. 狂言の特殊な演出(3)

 

曲の始めと終わり

緞帳や引幕のない舞台、橋掛りの端にある揚幕(切り幕)が空き、誰かが出てきた時が、曲の始まりです。
次に終わりですが、これにはいくつかのパターンがあります。まず、平均的なものとしては、役者が「やるまいぞ」や「まず待て」と言って追いかけて揚幕の中に走り込むのが「追い込み型」。主人が「しさりおろ」と言って叱って終わるのが「叱り止め」。また、舞台の中央で正面に向いて、役者がそれなりの説明をした後、笑って終わるのが「笑い止め」。謡を謡って終わるのが「謡い止め」。変わったところでは、舞台の階際にて「ハッ、クッサメ」と言って終わる「クシャミ止め」なんていうのもあります。
このあと、拍手をすればそれで立派な名観客です。ちなみにカーテンコールはありませんからこの後再び出てくることは普通の舞台ではまずありません。