8. 能舞台の秘密(8)

 

ここで言う「柱」は、舞台の四方にあり人体の四肢にも譬えられる、太い4本の柱のことです。「能舞台の秘密-その7」の図を参照してください。

①シテ柱
舞台に向かって左奥にあり、端掛りと舞台の境目にある柱。能のシテがこの柱の側に立つことが多いから、このように呼ばれています。

②目付柱
向かって左手前の柱。面をつけた時は役者の視界が極端に狭くなります。そこで自らの位置を検討するのに必要な柱がこれです。この目付柱が脇正面の観客には、鑑賞の妨げになるからと撤去している能楽堂も何ヶ所かありますが、本来の柱の意味を考えれば問題視されるかも。

③脇柱
向かって右手前の柱。能のワキがいる場所に接しているのでこの名がついたのです。役柄として大臣や大名が近づく柱でもあり、大臣柱や大名柱とも名がついています。

④笛柱
向かって右奥にある柱。囃子方の笛方が座るところに近いのでこの名がついています。また、この柱の下の方には、能の「道成寺」の大鐘を、天井につるすための綱を結える鉄環がついていることから鉄柱(かなばしら)とも言います。