6. 能舞台の秘密(6)

 

階(きざはし)

今日では使うことはありませんが、舞台の前方中央に据えられた階段を「階(きざはし)」といいます。

昔は公演の主催者側の仕切りをしていた「能奉行」が、この階段を上り揚幕の前で楽屋にいる役者に公演の開始の合図をし、またこの階段から自身の席に戻ったとされています。また、公演が終了し、主催者からの労いの言葉や褒賞を持った能奉行がこの階段を上下したようです。

このように今は使うことがなくなった「階」ですが、役者にとって都合が良いのは、この「階」の先端が舞台上に顔を出していることです。面をつけた時、この突き出た先端のおかげで容易に舞台のセンターラインを知ることが出来るのと、舞台の最先端が見えることです。